どんな本?

世界を代表するリモートワーク企業、GitLabがどのようにリモートワークを活用しているのかを書いている一冊。リモートワークのメリットはもちろん、リモートワークをする上で必要なカルチャー・制度など、リモートワークの全てが語られている本。
リモートワークを導入している企業やこれから導入しようとしている企業にはぜひ読んでほしいし、リモートワークとは縁がなくてもドキュメンテーションの大切さ等がわかるので万人にお勧めできる。
個人的にリモートワーカーとして読まないわけにはいかないと思い、今回購入した。
印象に残った部分を書き残す
ドキュメント文化の大切さ
ドキュメント化は本質的なスピードを向上させる取り組み
と本文で述べられている通り、ドキュメント文化は会社の業務効率化において非常に大切な側面を担っているとのことだった。
「掠れたインクは鮮明な記憶に勝る」というGitLabが掲げている標語に象徴されるように、人の記憶は曖昧である。よく当事者同士の取り決め等をドキュメント化していないあまり、同じような会話を二度してしまう、といったことはないだろうか?(筆者はドキュメント化が苦手でよくやってしまっていた)
ドキュメントに残すことはついつい億劫で忌避したくなる作業だが、ドキュメント化には凄まじい力を秘めている。
ドキュメントを読むだけで会議に参加していないメンバも内容をキャッチアップできるし、話していた当事者たちも確固たる記憶として残すことができる。
またドキュメント文化を発展させる上での重要な概念についても、本文中に言及されていた。
関係者であれば誰もがアクセスでき、情報同士の関連性が可視化されている一元管理された(その情報が他の場所に存在しない)揮発性の低い情報源に情報を集約するようにしています。この一元管理された揮発性の低い情報源のことをSSoT(信頼できる唯一の情報源)と読んでいます。最新の正確な情報が1カ所にしか存在しないのはドキュメント文化を発展させる上で非常に重要な概念です。
ソフトウェア開発者は当たり前のように開発時に行なっていることだが、DRY原則(Don’t Repeat Yourself)に従って情報を1カ所に集約させることが、ドキュメントの力を最大化させるコツであるとのことだった。
リモートワーク環境 = 成果にこだわる風土の醸成
リモート環境ではオフィスと違って、必死に働いているそぶりを評価する人もいなければ、サボっていていも何も言われない。
そのため取り組む姿勢より成果が評価される傾向にあるとのこと。
ただパフォーマンスを追求するだけでは殺伐とした環境になるため、チームとして尊重し合い、ポジティブでありながら成果を追求する良い状態を作る必要があるとも記載があった。
また即レスを期待しないことを前提に業務を行なっており、いかに同期的な仕事が非効率かを述べていた(ケースバイケースだが)。
オフィスワークであっても「同時に」取り組まなければならない業務はほとんどない。(企画考案、プログラミング、決裁起案→承認など)
そういった意味でもドキュメント・チャットをうまく活用しながら、非同期で業務を進める能力を育てることこそが効率的に仕事を進める上での重要なポイントである。
感想
今回記載した部分以外にも、たくさんのTipsや考え方、さらには人事制度まで幅広い内容が本書には記載されている。
リモートワーカーとして普段働いている私こそ、ドキュメント化にはより重きを置くべきだったということを知り、今までを恥じるとともにこれからはしっかりとドキュメント化をする心構えができた。
まずは定例会議での決定事項をしっかりと記録する、開発物の要件定義には話し合った詳細や仕様の理由を書くといった身近な部分から徹底していこうと思う。
成果にコミットすることも忘れずに。
コメント